従業員満足度を上げる10の方法

笑顔の女性たち

1. 従業員満足度とは?

ひらめき ロゴ従業員満足度とは、主に給与や福利厚生、業務内容、職場環境などを通して、会社で働く従業員が会社や職場に満足し、仕事に対するやる気を示す指標の事をいいます。従業員満足度を高める事は、会社にとっても従業員にとっても嬉しいメリットがたくさんあり、健康経営や働き方改革の一環として、注目している企業が増えてきました。では、従業員満足度を高めると具体的にどんなメリットが得られるのか?満足度を高めるためにはどんな方法があるのか?ご紹介していきます。

2. 従業員満足度を高める事で得られるメリット

グラフと画像Photo by Issac Smith on Unsplash

(1)離職率の低下や人材の定着・流出阻止

2019年に、ベースメントアップス株式会社が行った
<新卒入社した会社からの離職状況>に関する調査
社会人を対象に「新卒で入社した会社を何年で辞めましたか?」という質問に対して
「まだ辞めていない(46%)」が最も回答数が多かったものの
「1年以内に辞めた」と答えた人が31%
「3年以内に辞めた」と答えた人が13%もいました。

つまり、全体の44%もの人が
新卒入社後3年以内に会社を辞めているという事になります。

近頃の離職理由の傾向としては
・仕事が自分に合わなかった
・人間関係がよくなかった
・給与や労働時間、休暇の条件がよくなかった
・会社に将来性がないと思った
などが原因となり、入社後3年以内の早期離職が増えているにも関わらず
新卒者が入社後から独り立ちできるためにかかる時間は
およそ4〜5年の投資期間が必要と言われています。

新卒者を育てるための労力と時間がかかる上に、近頃は人手不足が深刻化。
従業員をどれだけ会社から辞めさせずに定着させられるかが鍵となります。

従業員満足度を高める事は、従業員の定着や流出阻止に繋がり
採用コストの節約にもなります。

(2)従業員のモチベーションアップ

従業員満足度を高めることができれば、
・従業員の仕事に対するモチベーションアップ
・業務の効率化
・生産性アップ
に繋がります。

業界・企業規模問わず、
「この会社で働きたい」「会社を大きくしたい」
「もっと会社の力になりたい」と思える従業員が多い会社ほど、強いものはありません。

従業員一人ひとりが会社に注ぎ込める力を最大限に引き出せる会社を作る事で
従業員のモチベーションが向上し、会社も大きく成長することができます。

(3)従業員満足度が上がると顧客満足度も上がる

従業員満足度が上がると、人材の定着・従業員のモチベーションアップだけでなく
顧客満足度アップ、会社の業績アップが期待できます。

あの、コーヒーで有名なスターバックスも
“ 顧客満足度より従業員満足度 ” を掲げ、会社が従業員を第一に考える事で
従業員一人ひとりの主体性が生まれ、
顧客満足度の高い接客サービスに繋がっていると言われています。

ただ、質の高い接客サービスをするためのマニュアルを渡し指導するのではなく
従業員が自主的に行動したくなるような職場環境や制度を作ることが
顧客満足度アップに繋がっていると言えますね。

3. 従業員満足度を高める10の方法

お花畑と女性たちPhoto by Priscilla Du Preez on Unsplash

では、具体的にどのような取り組みをすれば
従業員満足度を高めることができるのでしょうか?

従業員満足度を高める10の方法をご紹介します。

(1)企業のビジョンを共有する

これは、まず第一に行いましょう。
企業の ” ビジョン(=実現を目指す、将来のありたい姿)” を
上層部から従業員まで伝わっていない。という会社は少なくありません。

企業のビジョンを知らずに仕事をしている従業員は、
・何のためにこの仕事をしているのか?
・自分の仕事がどういった事に繋がるのか?
・会社がこれから先どうしていきたいのか?
など、様々な疑問が沸く上に、
業務に追われるだけになってしまいます。

会社として「こうしていきたい」「こうなりたい」という
企業のビジョンを従業員にもしっかり伝える事で、
自分の必要性や責任感、使命感を持つことができます。

(2)目標の見える化をする

ビジョンと同様に、会社には必ず「目標」が存在します。
あなたの会社では会社の「目標」を従業員にも見える化していますか?

会社としての課題点や改善点、今年度の目標をただ伝えるのではなく
具体的に、
・会社の売上をグラフ化
・営業の計画・目標・実績をグラフ化
・全従業員が見られる個々の目標設定
など、会社・従業員の目標をいつでも誰でも見られるよう見える化する事で、
従業員の目標達成に対する意識が向上し、
顧客満足度アップや業績アップに繋がります。

(3)雇用形態や職場環境を見直す

働き方改革の実施でリモートワークや時短勤務など、
子育てをしながら働く女性や介護が必要な人と同居している人のために
仕事と家庭の両立支援をするべく雇用形態が混在する会社が増えてきました。

また、従業員にとって仕事をする上で職場環境はとても大切です。

何をすれば昇給するのか分からず、仕事中会話がない会社よりも、
評価制度がしっかりしていて、気軽に従業員同士が話せる会社の方が
働き続けたいと思えますよね。

雇用形態や職場環境を見直す事で
自社の従業員が何に不満を持ち、どのように働きたいのかを知る事ができ
働き続けてもらうための改善点を見つける事ができます。

(4)福利厚生を充実させる

従業員が「この会社で働き続けたい」と思えるには、
福利厚生を充実させるのも一つの手です。

ひと昔に比べて、” 社会保険は当たり前 “ と言われる時代になっており
求職者が福利厚生の充実度で会社を決める事も多くなってきました。

一般的に福利厚生には2種類あり、
・健康保険や厚生年金、雇用保険、労災保険などの「法定福利」
・通勤手当や住宅手当、食事補助、健康診断補助などの「法定外福利」
があります。

従業員の生活や健康をサポートする食事補助や健康診断補助は、
比較的コストをかけずに始められるでなく、
従業員にとって満足度が高く、健康経営の一環として導入する企業が増えています。


(5)従業員の意見を積極的に採用する

会社で何かを話す時、決め事をする時、
上層部だけでミーティングを行っていませんか?

このような会社では
・どんなに仕事を頑張っても評価されない
・成長の機会を与えてもらえない
などの問題を抱える従業員が多くいます。

個人を尊重した制度作りをする事で主体性が生まれるだけでなく
・従業員の潜在能力を引き出す
・仕事に対するモチベーションアップ
・お互いを褒めやすい職場環境になる
・小さな悩みを従業員同士で相談しやすくなる
などに繋がり、
従業員が「この会社のために頑張りたい」「働き続けたい」と思えます。

(6)評価方法や報酬基準を明確にする

あなたは、どれだけ頑張っても評価されない会社で働き続けたいと思えますか?

・これだけのノルマを達成すれば給与が◯◯円上がる
・◯◯件受注すれば、インセンティブが◯◯%もらえる
など、評価方法や報酬基準が明確になっていると
従業員の個人の目標設定がしやすくなりますよね。

従業員は、あくまでも生活をするために働いている人がほとんどです。

生活するためには、豊かな暮らしをするためには、給与が必要で
その給与があれば、従業員の仕事に対するモチベーションが上がり
従業員満足度がアップします。

(7)社内コミュニケーションの質を高める

ただ、カフェスペースを設けたり、部署飲みなどの飲み会を増やしたり
思いつく施策をやってみるだけでは
社内コミュニケーションが活性するとは言い難いものです。

社内コミュニケーションの場を増やす事は大切ですが
社内コミュニケーションの質を高める事を大切にしましょう。

他部署の従業員1対1でアイデアを出し合うランチミーティングをしたり
上司・部下に限り会社が飲み会の費用を負担したり
日頃関わりの少ない人同士を繋ぐ場を作る事で、
従業員は、質の高いコミュニケーションをとる事ができます。

(8)従業員同士が褒めあえる制度を導入する

大手アパレルブランドUNIQLO(ユニクロ)の取り組みが有名で、
「サンキューカード制度」というものがあります。

この制度は、会社から従業員にサンキューカードというカードが配られ
「今日の接客中の笑顔が素敵でしたよ。」
「◯◯さん、いつも忙しい時に手伝ってくれてありがとう。」など
業務中の感謝を気軽に従業員同士が伝えるためのカードです。

仕事でミスをして職場の上司に怒られ落ち込んだ時に
「挨拶がすごくいいね!これからも一緒に頑張ろうね」など褒められたら
もっと頑張ろうと気分をプラスにしてくれます。

従業員同士が日頃からお互いを励まし、褒め合える環境を作る事で
従業員の満足度アップや定着率アップに繋がります。

(9)満足度アンケートを実施する

自社の従業員がどのような気持ちで仕事をしているのか
何に不満を持っているのか、さっぱり分からないという会社は
何よりも最初に取り組みたい「満足度アンケート」。

・仕事に対してどのくらい満足していますか?
・社内の人間関係は良好ですか?
・今後も働き続けたいですか?
・仕事に対して悩みや要望はありますか?
など、人間関係や働き方に対する質問を
簡単に回答しやすい選択式でアンケートをとってみましょう。

悩みやストレスを抱えている従業員を早期発見できたり、
従業員の新しい可能性を発見をしたり、
日頃職場では見せない従業員の考えを知る事ができます。

(10)メンタルヘルスケアを実施する

2015年より義務化された「ストレスチェック制度」を始めとする
メンタルヘルスケアに注目している企業が増えています。

従業員のストレス度を会社・従業員本人が知る事で
うつなどのメンタルヘルス不調を未然に防げ、
従業員一人ひとりにあった教育の仕方や接し方を知る事ができます。

また、従業員が何にストレスを抱え、
何を不満としているのかを会社が知る事ができれば
メンタル面が原因で休職や離職をしてしまう従業員に対して
事前に対策をとり、従業員の退職を防ぐ事ができます。

4. 会社の利益を考える前に従業員の事を一番に考える会社が生き残る

手を合わせるPhoto by Perry Grone on Unsplash

このように、会社は業績を上げるために
利益となる数字だけを見て何事も判断しがちですが
その利益を上げるためには、従業員が必要不可欠です。

何をすれば利益が出るのか、売り上げが上がるのかを考える前に
まずは、自社の従業員が「この会社で働きたい」「この会社のために頑張りたい」
「この会社で働きつづきたい」と思える会社なのかが
5年後、10年後生き残る会社になれるか
それとも、消える会社になってしまうのかを左右するのかもしれません。

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